貿易実務検定C級 10/20(土)の解説

5.貿易と保険

1.

CIF$10,000→110%⇒$11,000
包括予定保険契約
保険契約は、通常船積みの都度申し込みますが、継続的に船積みがあって、その貨物を特定の保険会社に付保する場合には包括予定保険を利用できます。
保険を付保する貨物、保険条件等をあらかじめ取り決めた上で契約者は該当する貨物を必ず付保することができる。

2.

貨物保険の対象とする損害内容(=担保範囲)は、通常、ロンドンの保険業者協会が制定した「I.C.C.約款(Institute Cargo Clausesの略/協会貨物約款)」と呼ばれる保険条件に則っています。I.C.C.約款は、1963年、1982年、2009年に改訂されていますが、新旧どちらも使用することができます。

新ICC

WA (With Average)
分損担保
貨物保険条件のひとつで、全損・共同海損および特定の事故によらない単独海損を担保する。
具体的にはSSBC事故(輸送用具の沈没、座礁、大火災、衝突これらを総称してSSBC事故という)および爆発、接触、積込・荷卸・積替中の梱包1個ごとの全損、費用損害(救助料、損害防止費用、特別費用等)、荒天による潮濡れ・高潮等の損害を担保する。
(ただし潮濡れ等の損害については免責歩合あり)

FPA (Free From Particular Average)
分損不担保
貨物保険条件のひとつで、全損、共同海損は担保するが、単独海損の場合は特定分損を除き担保しない条件。
特定分損とは、SSBC事故(輸送用具の沈没、座礁、大火災、衝突これらを総称してSSBC事故という)および爆発、接触、積込・荷卸・積替中の梱包1個ごとの全損、費用損害(救助料、損害防止費用、特別費用等)を指し、潮濡れは含まれない。
潮濡れによるリスクが低い木材、石炭、鉄鉱石等鉱業品に利用されているが、貨物の特性に応じ付加危険も特約により追加する。

3.

PL保険
Product Liability
製造物責任法(PL法)に基づく法律上の損害賠償責任を補償する保険のこと。
企業が製造、販売した商品(製品)の欠陥が原因で、消費者など第三者の生命、身体、および、財産上の損害を被った場合に、製造元および販売元に課される損害賠償責任をカバーしてくれる保険。

【例】
・飲食店で提供した食べ物に細菌が繁殖していてお客様が食中毒になった場合
・製造した電気製品に欠陥があったせいでお客様の家が火事になった場合
・排水管の工事が不十分で水漏れが起きてしまった場合

輸出者だけでなく、輸入者も加入すべき保険
これは、輸入品によって消費者が被害を被った場合、その被害者が海外の製造業者に責任追及を行うことは難しいこと、また、輸入者は海外の製造業者との売買契約において、輸出者に責任を追求する措置をとれる立場にあるという考え方からきています。
「国内PL保険」は、国内で販売される輸入品を含む商品(製品)すべてを対象としており、和文で書かれた約款、保険証券を発行していますが、「輸出PL保険」は、世界各国で通用している米国の保険約款に準じた英文の賠償責任保険証券を発行しています。

5.

海外商社名簿とは、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)が海外企業を国別に管理するための名簿のことです。

非常危険:契約当事者の責任ではない不可抗力的なリスク
信用危険:海外の契約相手方の責任に帰せられるリスク

貿易取引では一般的に、輸送中の貨物の破損・毀損などをカバーするための保険を利用しますが、こちらは「海上保険」といい、損害保険会社が扱う保険になります。

貿易保険は、貿易取引において、輸出ができない、代金回収ができない、といった取引のリスクを対象としたものであり、海上保険を物に対する保険、貿易保険を取引に対する保険ともいいます。

また、外国で商品を違法コピーされた場合の利益損失や、輸出した商品の安全性クレームに伴う損失なども、NEXIの貿易保険ではカバーしておりません。

貿易保険とは

7.

Political Risk=非常リスク
Emergency Risk=緊急時のリスク

Commercial Risk=信用リスク
Credit Risk=信用リスク

8.


D/P決済=手形支払時書類渡し
輸入者は、為替手形に対して、輸入貨物代金を支払うことで船積書類を入手します。
この場合の手形をD/P手形(Document Against Payment)といいます。
この決済方法は、基本的に、商品の到着前に全額を支払う必要がある(前払いになる)ため、輸入者に負担のかかる決済方法なのですが、 逆に、輸出者にとっては、輸入者が代金を支払うまで銀行が船積書類を渡さないため、代金回収のリスクが小さい決済方法になります。

D/A決済=手形引受時書類渡し
輸入者は、為替手形に対して、手形の期日支払いを確約することで船積書類を入手します。
この場合の手形をD/A手形(Document Against Acceptance)といいます。
手形期日には、シッパーズユーザンスと呼ばれる、一定期間のうちに代金を支払う条件がつき、たとえば、「D/A 30 days after sight」は、手形を引き受けた日から30日後に払うという意味です。

このシステムだと、基本的に、代金決済前に商品を受け取ることができる(後払いになる)ため、輸入者にとっては有利な決済方法になり、また、万一商品に不具合があったときにも、輸出者に対してクレーム交渉を有利に進めることができます。
逆に、輸出者からすれば、輸入者が手形を引き受けた時点で船積書類が引き渡されるため、代金回収のリスクの高い決済方法といえます。

6.通関知識

(1)の2.

貨物を輸出する際、輸出者はフォワーダー(船会社や航空会社など)に通関手続きや船積手続きを依頼します。
その際、貨物の内容がわかるインボイスとパッキングリストとともに「シッピングインストラクション」を提出することが求められます。

(1)の3.

(1)の5.

指定保税地域=外国貨物の積卸し、運搬、一時蔵置、例)コンテナヤード等

保税蔵置場=外国貨物の積卸し、運搬、蔵置、例)倉庫、上屋等

保税工場=外国貨物の加工、製造、例)造船所、製鉄所、製油所等

保税展示場=外国貨物の展示・使用、例)博覧会、博物館等

総合保税地域=保税蔵置場、保税工場、保税展示場の総合的機能、例)中部国際空港等

(1)の6.

(1)の18.

賦課課税方式は、以下の場合に税関長の処分によって納付すべき税額が確定されます。

・本邦に入国する者がその入国の際に携帯して輸入し、または別送して輸入する貨物等にかかる関税(商業量に達するものは申告納税方式により決定)

・郵便物(20万円以下の物品または寄贈品)に対する関税

・相殺関税、不当廉売関税

・関税法または関税定率法その他の関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされる関税賦課課税方式が適用される関税

・関税法または関税定率法以外の関税に関する法律の規定により税額の確定が賦課課税方式によるものとされている関税

・過少申告加算税、無申告加算税、重加算税

申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとするものは、貨物を輸入する際に税関長に対して当該貨物にかかる課税標準その他の事項の他、その税額その他必要な事項を記載して関税の納付に関する申告をします(輸入申告と納税申告を同時に行います)。
一方、あらかじめ税関長の承認を受けた輸入者(特例輸入者)、または税関長の認定を受けた認定通関業者に委託した輸入者(特例委託輸入者)は、輸入申告と納税申告を分離し、貨物を引き取った後に特例申告書を税関長に提出することによって納税の申告す。

(1)の20.

相殺関税とは、政府補助金を受けて生産等がなされた貨物の輸出が輸入国の国内産業に損害を与えている場合に、当該補助金の効果を相殺する目的で賦課される特別な関税をいいます。
相殺関税制度は、WTO協定(GATT・SCM協定)において認められているものです。

アンチ・ダンピング関税とは、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出(ダンピング(不当廉売)輸出)が、輸入国の国内産業に被害を与えている場合に、ダンピング価格を正常な価格に是正する目的で、価格差相当額以下で賦課される特別な関税をいいます。
アンチ・ダンピング制度は、WTO協定(GATT・AD協定)において認められているものです。

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